44年間夫婦で切り盛り。北波多地区に唯一残る、昔ながらの食堂

当店は、北波多村役場に勤めていた私と、叔母が経営する食堂の手伝いをしていた妻とで開業しました。オープンは1977(昭和52)年の2月なので、もう44年も前のことですね。当時は村内に同じような食堂が10軒ほどありましたが、チェーン店の進出などで淘汰されてゆき、とうとうウチだけになってしまいました。 店名の由来は地名で、最初は漢字で「千立食堂」と表記していましたが、誤読されることが多くいつの間にか平仮名で書くようになりました。そのうち米穀店もやるようになり現在の名称に変えましたが、看板だけは今でも創業当時のまま残しています。 常連さんは唐津市内の方が多いのですが、福岡市や佐賀市からのお客さんも多く、九州に帰省したついでにと遠くからわざわざ食べに寄られる方も結構いらっしゃいます。駅も遠く決して交通の便がいい場所ではありませんが、いろいろな方に気にかけていただいて夫婦共々喜んでいます。

子どもから高齢者まで、家族みんなが大好きな懐かしい味

現在では定食類や丼もの、麺類など60種類ほどの料理をお出ししていますが、どの品にも決して手を抜かず、基本に忠実に手作りしています。どれもおすすめですが、一番よく出るのは「唐津ちゃんぽん」ですね。ちゃんぽんのスープは豚骨をベースにしています。何度も熱湯で洗い、くさみをキレイに取り除いたものを、土日でゆっくりと炊き出していきます。手間がかかりますが、その分味の違いはくっきりと分かって頂けますよ。 カツカレーも人気メニューのひとつで、毎日欠かさずお昼に食べに来られる方もいらっしゃるほど。開発当初はスパイスやハーブでインド風に調整したルーを使っていましが、何だかこの土地の風土にはそぐわない気がして、今はあえてスパイシーすぎないコクのあるカレーに仕立てています。 また、ダシ昆布から丁寧にダシを取るうどん類も、ファンの多いメニューです。米穀店もやっていますから、ご飯ももちろん自慢です。精米したての県産米だけを使っているので、いつでもモチモチツヤツヤだと大好評ですよ。

「これからもぜひ続けて欲しい」という熱い期待に応えたい

長く続けている店ですから、三世代で揃って食べに来られる昔馴染みのお客さんもいらっしゃいます。長年ご贔屓にしてくださる方は皆さん、「こんな店はもうどこにも残ってない、これからもずっと続けて欲しい」とおっしゃいますから、そうした期待に応えたいという思いはあります。 親としては、今は別の場所で仕事をしている息子が、ゆくゆくは一緒にやってくれればと願ってはいます。せっかく、調理師学校も出ているので。先々どうなるかは私たち家族にもまだまだ分かりませんが、よければこれからも見守ってください。

住所:佐賀県唐津市北波多徳須恵1443
電話:0955-64-2036
営業時間:10:00〜15:00、16:00〜19:00(18:30 L.O)
休み:日曜(祝日の場合営業)、年末年始
駐車場:あり