地元の名店で経験を積み、23歳の若さで独立!

古川 勇さん(59)

約40年前、地元のレストランでアルバイトを始めたことがこの業界に入ったきっかけです。当時の佐賀には、魅力的なレストランがたくさんあり、働く場所に困ることはありませんでした。名店ばかりを渡り歩きましたが、どの店でもソースやドレッシングは手づくりが基本でした。
その後、両親の反対を押し切って、1984(昭和59)年、23歳の時に南バイパス沿いで小さなレストランを開業。フレッシュトマトから作るスパゲティなど、本格派の洋食は珍しく、オープン当初からお客さんは多かったです。軌道に乗ってきたところで、現在の場所に移転。当初は、料理の腕を振るいたい一心で、幅広く料理を提供していました。
しかしながら、うちくらいの規模でメニュー数が多いと、スタッフが1人でも欠けたら、それこそ大ピンチ。店をより良く存続していくために、徐々にメニューを減らし、約3年前からはハンバーグ一本に絞ることにしたのです。苦渋の決断だっただけに、お客さんが「あれ無くなったの⁉」と残念そうにされると申し訳なくて。今でも状況が整えば、復活させたいメニューはたくさんあります。

行列必至のハンバーグは、“肉感”みっちり、手間暇かけたソースがこだわり

古川 勇さん(59)

ハンバーグは、若い頃に洋食屋で習ったものがベースです。牛肉と豚肉は、仕入れ後、自家製で合いびき肉にしており、つなぎは極力少なめ。あくまで肉が主役のハンバーグなので、焼いたときの香りはステーキに匹敵します。テーブルに運んだとき「待ってました!」「やっぱりこれこれ!」と言われると嬉しくて。そのために、味の品質だけは絶対に落とさないようにしています。
サラダのドレッシングやハンバーグのソースは全て手づくりで、砂糖は一切使用していません。飲食店をやる以上、リピートしてもらえる店じゃないと意味がありませんから、手間暇を惜しまないことがモット―です。そんなこだわりは、料理を通じて、お客さんに伝わっていると信じています。

「プロだな」と思える人が好き。50周年まで現役で頑張りたい。

古川 勇さん(59)

28歳で結婚してからは、妻と二人三脚で店を切り盛りしてきました。おかげさまで平日でも外まで並んでいただけるほど繁盛していて、お店が潰れるかも…と不安になったことは一度もありません。とはいえ、スタッフ不足が目下の課題。とにかくマンパワーが足りないので、スタッフの状況に応じて席数を減らしたりするものの、お客さんをお待たせすることが多くて。手間暇を惜しまずにどうにか合理化できる部分はないかと、日々模索しています。
後継者についてですよね。実は息子も、全く別ジャンルですが、飲食業に携わっていまして。しかしながら、自分のやりたい料理があるだろうし、無理強いするつもりはありません。後継者については未定ですが、誰かが引き継いでくれるとしたら、「この人はプロフェッショナルだな」と思える人がいいですね。先のことはわかりませんが、現在59歳なので、できれば73歳、お店が50周年を迎えるまでは頑張るつもりです。

住所:佐賀市本庄町507-8
電話:0952-29-4424
営業時間:11:30~14:00(13:30 L.O)、17:30~21:00(20:30 L.O)
休み:不定
駐車場:あり